_県民性鑑定
【山口県人VS奈良県人】

少し厭味な言い方になりますが、山口県から明治維新を取ったら何もなくなってしまうほどに、いまもまだ明治維新の余韻にひたっているようなところがあります。政治が好きということも、天皇崇拝意識が高いのも、中央志向が旺盛なのも、結局は明治維新を成し遂げたという自負が県民にあるからに違いありません。
しかし、明治維新の功績は別にして、それから二〇数年にして日清戦争に突入していくという侵略戦争の愚は、まるで太閤秀吉の朝鮮出兵の再現のようで、歴史的に見ると時間が後戻りしたような感があります。どうせ戻るならば、一気に後戻りをして奈良・平安の時代へタイムスリップして欲しかったように思います。
だからというわけではありませんが、明治維新から少し離れて、古い歴史を背負った奈良県人とお付き合いをしてみるのもいいかも知れません。ご承知のように、奈良県には日本の歴史の故郷ともいえるところであって、貴重な国宝やたくさんの文化財が残されているからです。
また、逆に文化遺産はたっぷりあっても、それにどっぷり浸かってしまって進取の気風を失ってしまっているのが奈良県人です。山口県人のように、積極的な自己主張が苦手なところがあります。
両県には、それぞれに歴史の呪縛という共通項があるような気がしてなりません。しかし、その呪縛から放たれるためには、両県の歴史的背景を逆に置き換えてみれば、面白い結果が出るのではないかと……。

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